然別湖キャンドルアイス研究活動その3


 文字サイズ、大きくしてみました☆
 
 さて、今回の然別湖キャンドルアイス研究活動ですが、
  1. 潜水手法
  2. 氷について
 をお話ししたいと思います。

潜水手法 

キャンドルアイスの中でのスノーケリング

 今回は「スノーケリング」で実施いたしました。
 理由の一つは、タンク手配は現在準備中と言うこと、
 もう一つは、氷は水面に浮いていると言うことです。

 できれば「スクーバスノーケリング」がベスト。
 水中深くへ潜水しなくても、浮いている氷ですから、充分に観察できます。スクーバは体の安定と、ちょっとした潜水に使えます。

浮力はしっかり確保

カメラは落とさない工夫を

 もちろん気をつけないといけないこともあります。浮き氷とはいえ、まだ大きな塊の状態がほとんどで、ロープ無しに侵入すると、簡単に水面にはアクセスできません。

 だからと言って、氷の上は不安定で、穴を開けてエントリーもできませんから、陸上とダイバーの間にロープをつけることが一番安全なのですが、、、融けかかった湖面、ロープが届く範囲に氷が浮いているとも限らないので、それは現実的にやりづらい。

 ルール的に、
  • あまり氷の下へ侵入しすぎないこと
  • 必ず水面へのルートを確認しつつ潜ること
 を守って行うことが求められます。
 そうなると、個人のスキルと判断力が大事ですね。

キャンドルアイスに埋もれています

風でせり上がったキャンドルアイス

 ほどけたキャンドルアイスも、場合によっては気をつけなければなりません。
 場所によっては、かなり密集していて、動きが制限されることもあるんです。

 一見簡単に見えるこの活動ですが、ダイバーとして、自立(自律)したスキル、判断力を要します。そして、寒冷地仕様の装備、レギュレーターもです♪

 何事も、リスクは存在しますから、活動を行うには、注意点をよく理解することと、定期的なトレーニング、道具の準備を行うことで、好奇心を刺激する楽しい活動を行うことができるんですね☆

楽しいね♪

氷について

アイスダイビングにて

 一言で「氷」と片付けられてしまいがちなのですが、よ〜く考えて見ると、すご〜く奥深いことがわかります。

 冷凍庫で作る氷もあれば、わざわざ天然氷を販売している氷屋さんもありますし、一体何が違うのでしょう?

天然氷で作ったグラスはお酒も美味しくなる♪

 実は、氷には品質の違いがあります。
 一般的には純氷と製氷機で作った氷で、簡単に言うと、
  • 純氷はゆっくり凍らせる事で結晶を大きくし結晶同士の結合する境目が少なく融けづらく硬い
  • 製氷機は急速に凍らせる事で効率をあげる反面、結晶が小さく境目が多いので融けやすい
 目的により、どちらが良い悪いと言うわけでありませんが、より透明感があり融けづらく硬い「純氷」が高品質であると言えると思います。
 さらに、意図的に凍らせて作ったものは「純氷」ですが、湖などで自然と凍ってできたものは「天然氷」と言い、味に違いがあるそうです。

2月の風景

 アイスダイビングの醍醐味は、
  • 氷の下の世界を見てみたい
  • エクストリームな活動による達成感
 と、言うことなんだろうと思いますが、視点を少し変えて見ると「氷」そのものに興味が湧いてきませんか?

 最近話題になった「アイスバブル」は、氷の下にクラゲのような気泡が閉じ込められ、とても幻想的に見えるので、インスタ映えするわけですよね♪

 この「アイスバブル」は実は、然別湖ではあまりみられません(全くないわけではないですけど)

 「アイスバブル」の正体は、メタンガス。
 有名になった糠平湖は、富栄養湖で、メタンガスの放出も多めですが、然別湖は貧栄養湖。メタンガスの放出はやや少なめで、冬になると、放出量も減少します。

 あとは、その年の気象条件で湖面が凍るタイミングとメタンガスの放出のタイミングで「アイスバブル」が形成されるのでしょうね。

 このように、一言で「湖の氷」と言っても、その環境の違いなどで、全く異なるものなのです。

 然別湖の氷のすごいところは、とても透明感があり、硬く融けづらい「天然氷」と言うところです。結氷最盛期に潜って見ると、なんとも幻想的な世界です☆

よく見ると縦の繊維状に見える

 氷は凍結し始めからゆっくりと結晶が縦方向に成長し、その結晶同士がくっつきあい、厚く丈夫で透明な氷が出来上がります。季節が進み、雪が降ることで、湖面では今度空気がたくさん含まれた白い氷が作られていきます。なので、こう言っては怒られちゃいますが、豚バラ肉のような2層構造の氷に成長していきます。その厚さはなんと60cm〜80cm!

アイスシャンデリア

 よくみて見ると、水に溶け込んでいた空気は、まだ凍っていない水中、下方向へ押し出されていきますから、可愛らしい気泡も見ることができますし、おそらくメタンガス?も少なからず湖底から放出されているのでしょう。アイスバブルまでいきませんが、シャンデリアのような面白い形を形成しています。

 その氷、どこまでも透明の一枚氷に見えていますが、実は氷の結晶のくっつきあった姿。
 季節が移り、ゴールデンウィーク頃には氷も融け始めます。その時、大きい氷の結晶同士が融けほどけ、一本一本の結晶体「キャンドルアイス」になり、シャララシャラリラ♪と爽やかな音を奏で、然別湖に春が来たお知らせをするのです☆

氷塊をクローズアップで見ると、、

光の反射が幻想的

 この「キャンドルアイス」はどの湖でもみられる現象ではありませんし、
 タイミングが読めません。

 なので、超!特別なことなんです☆

 お知らせのあと、数日で湖面開きとなり、然別湖は一気に春、夏へと移り変わってゆきます。

あたり一面キャンドルアイス

 「キャンドルアイス」の正体は、
 自然により、ゆっくりと時間をかけて作られた、大きく硬いスティック状の結晶。然別湖の湖面いっぱいに、キャンドルアイスがくっつきあい、大きな天然氷を形成していた。
 
 然別湖の厚く大きい天然氷は、融けほどけキャンドルアイスになり、数日間、シャララシャラリラと音を奏でながら、春の訪れをお知らせしてくれる。。

 これは、北の大自然による、ロマンです。

 でもね、本当にロマンを感じるなら、
 やっぱり実体験しないとわからないものです。
 来年も、やりましょう。

打ち上がった波にも見える

本当に幻想的な風景です

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