秋深まり冬直前の然別湖ウチダザリガニ防除潜水1

 
 ザリガニが好きなかたは、結構多く感じる。

 日本で見られるザリガニは、
 ・ニホンザリガニ
 ・アメリカザリガニ
 ・ウチダザリガニ
 で、北海道や東北に生息するニホンザリガニが、
 唯一、日本の固有種である。

 でも、一番印象的に記憶にあるのは、
 赤いアメリカザリガニだったりする。

 昔、お祭りの出店に「ザリガニ釣り」があって、
 それはアメリカザリガニだった。

 そんな意外と身近にあるザリガニではあるものの、
 その生態などはわからないものだ。

 特定外来生物に指定されているウチダザリガニは、
 猛烈な繁殖力によって、元々の生態系を壊してしまう厄介な面がある。

 食用として移植したものなので、その増殖にはある意味成功したのかもしれないが、元の自然環境を変えてしまう事は、今となっては問題だ。

 完全に存在を駆逐する「駆除」は容易なことではない。
 これ以上生息範囲を広げない「防除活動」を行い続けることが大切だ。

 かといって、続けるためにはお金も必要。
 モチベーションを持続させるためには、参加するメンバー自身が楽しめるものであるべきだと、JAUS亜寒帯ラボでは、そう考えているのである。

北岸の風景
 
 ザリガニが好きで、ダイビングをスタートさせたメンバーがいる。

 ニホンザリガニ、アメリカザリガニは、潜らなくても見ることができるのだが、ウチダザリガニは、その生息環境から、潜らなければ見ることができないということが、ダイビングをスタートさせた動機とのこと。

 また、違うメンバーは、生活している環境が、ウチダザリガニの影響で壊れてきたことを危惧し、生活環境を守りたい気持ちでダイビングをスタートした。
 彼は、ここでネイチャーガイドをしている。

 様々な思いが、この然別湖潜水防除ボランティアに繋がっている。

視界が悪い中、倒木に注意
 
 その潜水環境は、四季により全く異なる。
 今回の10月中旬は、
 水温9〜10度
 視界3~5m
   場所によっては倒木に覆われる。
 さらに、ここは810mの高所域。
 上の写真のように、天候により、水中は相当暗い。

 このような環境の中で、活動を実施するには、
 それなりのトレーニングと経験も必要となる。

ロゴシーズ
 
 安全管理として、今回も山形カシオ様のご協力をいただき、水中トランシーバー「ロゴシーズ」を活用する。

 視界の悪い中では、
 ・ライトのあかり
 ・人の声
 は、とても安心できるものなのだ。

捕獲できた1匹

 今回の潜水メンバーは4名。
 8月に潜水した場所「北岸」
 最近の雨の影響で、ヤンベツ川からは、さらに冷たい水が流れ込む。

 前回は、かなりのウチダザリガニが見られた場所ではあるが、今回は、ほとんど見ることができなかった。

 時期的には、繁殖する時期であり、抱卵したメスはひっそりと隠れている。

 それにしても、オスもメスも見当たらない。
 ここで捕獲できた数は、オス1匹だけだった。

 一体、あれだけの数は、どこへいったのだろう。
 謎は深まるばかりだった。

別の日に捕獲した抱卵中のメス

 この日は、風も強く、流石に湖面も荒れてきたこともあり、無理をせず、1本で終了。
 
 翌日に備えることにした。

新そばのシーズン

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