然別湖ウチダザリガニ潜水防除活動


湖の砂漠化

先日の「阿寒湖マリモ群生地での水草刈り取りボランティア」では、増えすぎた水草がマリモの成長を妨げてしまうことが問題でしたが、「然別湖」では真逆に水草が減り、砂漠化が進むことで生態系が崩れてしまうことが問題です。

原因のひとつとして、増えすぎた「特定外来生物ウチダザリガニ」による食害では無いか?と考えられています。海藻がウニによる食害などで少なくなる、海の砂漠化「磯焼け」と似ています。

今回水中を覗いてみて、その生息範囲が広がりを見せ、数年前に存在していた、ヒロハノエビモなどの水草が、残念ながら見られなくなっており、非常な危機感を覚えた次第です。



潜水による防除活動

ウチダザリガニは特定外来生物です。勝手に採ったり、生きたまま持ち出したり、移動させると、法律により罰せられます。なので、許可を得た団体が防除計画に基づき、かごを仕掛けたりし、捕獲作業を行いますが、水中の様子を直接みながら捕獲する「潜水手取り」も有効であることから、JAUS亜寒帯ラボでは、防除団体である「然別湖ネイチャーセンター」の活動にボランティア協力しています。

なお、本活動のリーダー松本さんは、然別湖ネイチャーセンター職員でJAUS会員であり、亜寒帯ラボの活動に参加するダイバーでもあります。



駆除と防除

増えすぎたウチダザリガニは、完全に駆除することが極めて難しく、これ以上増やさない、生息域を広げないことを目標とするため、防ぐ意味合いの「防除」としています。
防除活動成功のキーポイントは、こまめ、かつ定期的に、防除を継続することだと考えています。






今回の防除

8月11日、12日の二日間、参加者は3名でしたが、
♂273尾
♀177尾
合計450尾 と、かなりの数を捕獲いたしました。
潜水データは、
表層から7mまでの水温 20℃
7mでサーモクラインがあり、その下は 16℃
水深は10mまでの範囲で実施。
透明度 横10m


水中環境

然別湖は、湖水面で海抜約810mで「高所潜水」となります。したがって、初回参加に関しましては、高所潜水のトレーニングを受けていただくこととしております。(講義は当日行なっています。)

また、倒木による水中拘束などのリスクもあり、捕獲やフィンワークによりシルトが捲き上るため、低視界潜水および、フィンワークトレーニングもオススメしています。今回の活動では、CASIO水中トランシーバー ロゴシーズを使用し、緊急時でのシグナル発信を行うようにいたしました。




このように特別な環境であることから、JAUS亜寒帯ラボは、然別湖ネイチャーセンターと話し合い、参加資格や管理方法などを策定して参ります。


継続的、持続可能な、

生態系の保全活動には「継続的」「持続可能な」と言う言葉がよく出てきます。ですが、様々な問題から、続けてゆくことが難しい部分もあるのが現状です。

活動資金面、次世代への引き継ぎ、また興味や関心なども含め「持続可能」な活動は「チャレンジ」と言うことなのだろうと思っています。
JAUS亜寒帯ラボは、この「チャレンジ」を実行して参ります。

今回参加したみなさま、大変お疲れ様でした。



然別湖ネイチャーセンターウェブサイトはこちら

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