妖しい探検隊〜プロローグ〜


 それぞれ、夏の繁忙期も過ぎた、晩夏から初秋の9月。
 忙しさや、気温の変化などで、疲労が顔を覗かせる。

 そんなこの季節は、うっかりミスや事故も起こりやすい。

 また、乗り切った安堵感から、気持ちの開放感もあったり。

 そんなウキウキとヒヤヒヤの同居する、
 なんともまた、刺激的で妖しい季節が9月なのだと思う。

 9月初旬。JAUS亜寒帯ラボの活動とは別に、
 メンバーが主宰している活動の来期構想を練るため、
 石狩海域にて、スノーケリング、スキンダイビング、
 スタンドアップパドルボード(SUP)を実施。

 全国的に、スノーケリングでの事故が目につく昨今、
 わたくしたちの目的、目標は、
 「スノーケリング事故ゼロ」
 であるため、現在一般的な「体験型スノーケリング」のみならず、
 継続して参加できる「本格的スノーケリング」を構想しているのである。

 そんな中、マイSUPを漕いでいると、
 ふと、思い出した。
 数年前に、AQUA-LUNG社のカタログで見た、
 ボードにまたがり、フィンをパドルがわりにした、
 ドライスーツダイバーの挿絵を。

 それに憧れ、実際にツアーを組んだことがあるが、
 当時は、ポシャりネタになってしまい、
 それ以来、実現を断念していたことを。

 そうだ、来週9月16日の然別湖で、やってみよう。

 思い立った、妖しい9月。
 なので、怪しい探検隊のまねっこネーミングで、
 「妖しい探検隊」として、行ってみよう!

 そして、翌週の9月15日を迎える。


 参加のメンバーがSUP初体験と言うこともあり、
 積丹の小泊海岸にて、一緒に予行練習。
 漕ぎ方、止まり方、ターンなどを練習して、
 翌日の「妖しい探検隊 in 然別湖」の確認。

 正直、ボードも色々あるわけで、
 僕が持っているのはインフレータブルのレース用。
 SUPもなかなか奥が深い。

 コケそうな感じであれば、立ち膝でもいいし、
 無理さえしなければ問題なし。
 楽しみながら、明日はやれると確認もできた。


 さて、午後はダイビング。

 同じ積丹町美国に、
 JAUSメンバー数名が別で潜りに来ていて、
 なんと、午後から潜水500ダイブ記念という。

 500ダイブはIさん。
 思えば17年、積丹で潜っているとの事。
 Iさんが始めたばかりの頃は、僕も覚えている。

 長く潜ってくださることに、
 本当に感謝。嬉しい。

 なので、そのダイビングに、妖しい探検隊チームも合流。



 本当におめでとうございます!!
 これからも、どうぞよろしくね!

 

 水中では、魚を探し撮影を楽しむかた、
 のんびり泳ぐことを楽しむかた、
 風景を楽しむかたや、
 水の中へ身を投じることに楽しみと喜びを感じるかた

 みんな視点や感じ方は様々。
 その違いをまとめた集合体として、
 海という共通のキーワードを中心に会話をしている。

 とても楽しそうで、
 見ているこちらも楽しくなる。


 潜水後の食事にて、
 500本を迎えたIさんが、
 大切そうにしているカードを見せてくれた。

 6〜7年くらい前に、
 ショップツアーで行ったパラオ。
 そこで250本記念だったIさんに、
 僕は名刺の裏に、
 「たぶん500ダイブ おめでとう」

 と、なんとも適当で、
 なんともふざけたコメントを書いて渡していた。

 その名刺を、この500ダイブの時に、
 僕に見せようと思っていたとのこと。

 長く潜る中でのモチベーションになっていたのであれば、
 かなり嬉しいことだ。

 思わず、上書きで、
 「750本 おめでとう」
 と書いて渡し直した。

 中途半端と突っ込まれはしたけれど、
 いきなり1000本と書くよりも、
 目標にしやすいと、僕は思ったのだ。


 中秋の名月。
 もう晩秋でも初秋でもなく、
 中秋。

 そんな妖しい9月15日の出来事だった。

 さて、翌日はいよいよ、
 妖しい探検隊 in 然別湖。

 車もよれない、歩いても行けない場所へ、
 SUPに乗って水面移動し、
 水草の状態を観察しながらウチダザリガニを防除。

 どんな探検になるのだろう?




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